多様な可能性を感じました
武蔵大学では平成17年に dotCampus を導入している。そのきっかけは何かと問われ、武蔵大学の小野成志さんは、「本学では、当時文部科学省から『サイバーキャンパス整備事業』に選定されていました。ちょうどこの年度はEラーニングシステムの導入が課題となっていました。」と話してくれた。
はじめは他社の既製システム検討していたとのことであるが、「この整備事業の中では、オリジナルのSCORMコンテンツを作ることが重要な課題となっており、SCORM対応のシステムも検討する必要がありました。その中で dotCampus のことを知りました。dotCampus ならSCORMコンテンツはもちろん、他のEラーニングシステムにはない多様な可能性があると感じました」ということである。そして現在主に使用している機能は、Eラーニングコンテンツの配信と、テストである。
個別指導も可能にする余裕が…
dotCampus を使う未来
小野さんは、将来はさらに dotCampus の利用を
拡張していきたいと考えている。たとえば高
校生に対してEラーニングコンテンツを公開す
ることや、大学合格から入学までの期間を利
用した入学前授業をEラーニングでできないか
というようなことを検討しているという。
武蔵大学の新入生が dotCampus と最初に出会うのは、「情報セキュリティガイダンス」と「情報セキュリティテスト」のEラーニングコースである。これにパスすることで学生はEメールアカウントの付与を受けることができるが、千数百名の新入生全員が対象になるので規模が大きい。このテストは dotCampus 上で何度でも受験でき、合格すると自動的に終了証が交付される。その修了証によってメールアカウントが交付されるのである。年間10回やっていたテストの膨大な事務的な手間が削減されたことが何よりの収穫だと小野さんは強調する。採点も自動化されているため、「採点から掲示まで一連のプロセスが綺麗になくなりました」と笑顔を見せた。この「情報倫理」は、職員の研修にも利用されている。学生からの評価はどうですかという質問に対し、小野さんは、「実は学生たちからのコメントは特にないんですよ。」といいながら、「我々にとってクレームが来ないというのはすごく大きな意味があります。例えばこれが電子メールならば、サーバに少しでも不具合があったりすれば、すぐに問い合わせが来ます。何も問い合わせがこないということは、それだけ品質がいいからだと思います」と付け加えた。
その結果、「合格できないで窓口に相談にくる人もいるんですが個別に相談を受けられる時間ができました」と小野さんは成果を語る。以前は「機械的に不合格の発表をするだけで手一杯だったのですが、いまは学生の個別相談や指導のための時間ができました。」。そして、セキュリティ・ガイダンスの受講率がほとんど100%になるという成果があがっている。これを受講していないと「学内でコンピュータも使えない」というほど重要な科目なので、受講率を高めることが重視されているのである。この受講率の高さには、ネット上で受講できる自由度の高さも寄与しているだろう。「3割ぐらいは自宅から利用しているかもしれません」とのことである。
憂鬱な年度末にさようなら
武蔵大学では、このようなIT系の基礎教育科目だけでなく、人文学部の「日本服飾文化史」という科目でも dotCampus が利用されている。担当の丸山伸彦教授は、当初は dotCampus の利用にやや消極的なところもあったが、現在はすっかり愛用している。
その理由を小野さんは、「毎年年度末は試験の採点で憂鬱でしょうがなかった。いまはオンラインテストを dotCampus で行うことで瞬時に採点が完了する」と丸山教授の声を伝えてくれた。もちろんそれだけでなく、授業の中で重要な役割を果たす歴史的な服飾関連の写真をカラーで確認しながらテストができることなど、dotCampus 導入以前には不可能に近かったことができるようになった。「そのよさは使っている人ならわかる」と、小野さんは太鼓判を押す。最初は難しそうでもその効果は使ってみればわかるというのだ。「丸山先生も最初は『絶対いやだ』って言ってたんですから」と、小野さんは強調するのだった。
1.小野成志 さん
元 武蔵大学 情報・メディア教育センター事務長 (現 学校法人根津育英会 総務部)
2. 山本光良 さん
武蔵大学 情報・メディア教育センター事務長