3万人が毎日使うツールだから
法政大学理工学部の竹内則雄教授を市ヶ谷キャンパスに訪ね、dotCampus の教育効果についてお話を伺った。
同大学では、2006年9月に全学で dotCampus を導入、30000人が登録され、12000人の学生・教職員が日常的に dotCampus を利用している。
「今は何万人単位でやっているこの授業支援システムも、最初は僕の教室だけで数十人単位で始めたんです。それを学部でやって、理工系全体にあげて、ここまで来たんです」と、教授は振り返る。
基本はやっぱり学生とのコミュニケーション
意欲に応え、意欲を高めるシステム
dotCampus を利用することで、どのような教育効果が得られているのだろうか。竹内教授の分析によれば、dotCampus は学生の学習意欲とよく相互作用する。「学生は事前準備がやりやすくなっていますよね。個人のやる気に応じて、おもしろいと思った学生はどんどんやっていけるシステムになっていると思うんですよね。より深く進められる。一方、やる気の低い学生に関しても、データをアップロードするので自分の提出状況がわかりますから、『これはまずいな』という感じになるんじゃないですか」
なぜ dotCampus を使うのか。「いちばんの基本はやっぱ学生とのコミュニケーションだと思うんですよね」と竹内教授は強調する。「授業外のコミュニケーション。従来はオフィスアワーとかやっていたわけで、それも重要ですけど、それだけでは十分ではないですから」。
では、具体的に dotCampus はどのようにコミュニケーションを活性化させるのだろうか。「いちばん基本的なものはシラバス、コースの内容を説明する部分。ここに授業のレジメをアップしておくと事前に予習ができるということですね」。予習用の教材はPDFで用意する。
説明しながら竹内先生が見せてくれたパソコン画面には、学生のダウンロード状況が一目で示されていた。提出物などの状況も一目瞭然──未提出者は赤信号が消えていない。これは学生にとっても把握しやすく、提出率を上げるのに寄与しているようである。
そして、「あとよく使うのはお知らせ機能がありますよね。次回にこれを持ってきなさいとか、連絡ができる。それから、けっこう学生からの質問がくるんですよ。これは掲示板の方で。質問して答えるというやりとりができますよね」と、教授は説明してくれた。このやりとりは全員から見えるので、クラス全員に情報が共有されることになる。
コミュニケーションが深まることには、実利もある。「学期末の成績ですね。メリットはクレームが減るということですよ。A、B、Cとかいう成績をつける以前に公開しちゃうんですよね。前は紙で掲示していたんですけど、個人情報の絡みでできなくなっちゃったんです。Eカルテは個人に直接行きますから。Eカルテで助かってますよ」。
成績評価の過程に透明性を高める最新機能を盛り込んだEカルテに対する教授の評価は特に高い。「他の先生ももっと使っていいんじゃないでしょうか」
なぜ dotCampus なのか
シミュレーション技法を研究している竹内教授は、早くからEラーニングの活用に注目してきた。研究室の書棚には、コンピュータ技術関係の書籍も数多く並んでいる。独自のEラーニングシステムを開発する力は十分にあったはずの教授が、なぜ dotCampus を選んだのか。
教授の答えは明確だった。「コンテンツは独自ですけどね、道具は一つでいいんじゃないかと」。重要なのは授業の内容であって、ツールではない。「道具は使い勝手を追求すると同じようなところにいくんですよね」と教授は分析する。
「同じような」ものなら、必ずしも dotCampus でなくてもいいのではないか。もちろんそうである。ただし、それには、現場からのフィードバックを常にシステムに反映していくことができるならば、という前提がある。実際、「いろんな学生が使うので、いろんな問題が出てくるから、それに対応していけないと使えなくなっていくんですよ」と、竹内教授は指摘する。
仮に学内でシステムを開発・維持管理するとなると、「問題はそれを誰がやるかという話になるんですね。『先生、やりますか』って言われても、私たちは教えるのが仕事なんでね。じゃあ専従を抱えるかっていうとそれも大変です。じゃあアウトソーシングするかってことになる」。コストは天井知らずに跳ね上がってしまう。
サポート体制のしっかりした dotCampus は、パッケージソフトでありながら、日常的に発生する数多くの問題に対してきめ細かな対応をする。そしてそれらを常にフィードバックとして取り込むことで、システムそのものがどんどん改良されていく。だからこそ、竹内教授は dotCampus を薦めるのである。